~コロナとインフルエンザに重複感染した子どもは重篤になりやすい~

コロナとインフルエンザに重複感染した子どもは重篤になりやすい
子どもが新型コロナウイルス感染症とインフルエンザに重複感染すると、病状が深刻なものになりやすいことを示すデータが、米疾病対策センター(CDC)発行「Morbidity and Mortality Weekly Report(MMWR)」12月16日号に掲載された。
2021年10月~2022年4月にインフルエンザとコロナに重複感染した小児の実態を調査。重複感染患児はインフルエンザのみの患児よりも重症度が高く、シーズン中のインフルエンザ関連死は44人報告されており、これにはコロナ重複感染した小児7人(16%)が含まれていた。インフルエンザのみに感染した患児では42.4%がインフルエンザワクチンを接種していたが、重複感染群では17.4%にとどまっていた(P=0.02)。重複感染で死亡した7人は全てインフルエンザワクチンの接種を受けておらず、また抗インフルエンザウイルス薬が用いられていたのはわずか1人のみだった。Siegel氏は、「抗インフルエンザウイルス薬が極めて効果的であるにもかかわらず、この研究の対象となった子どもたちにはあまり用いられていなかったことが悔やまれる」と述べ、さらに「子どもたちは毎年インフルエンザワクチンの接種を受けるべきで、現在の状況においてはCOVID-19ワクチンの接種も必要だ」と付け加えている。 ワクチン接種のリスクを心配する保護者もいるが、そのような人へのアドバイスとして「インフルエンザやCOVID-19罹患時の重症化リスクが高い子どもには、ワクチン接種が特に重要だ」、「肥満や喘息、2型糖尿病、自己免疫疾患などの慢性疾患を持っている子どもがハイリスクだ」とし、今後は毎年、インフルエンザとコロナのワクチン接種を受けることが一般的になると考えられると予測。「小児の死亡者数は成人に比べれば少ないが、ワクチン接種に伴うリスクはウイルス感染時のリスクよりもはるかに低い」と述べている。なお、米疾病対策センター(CDC)は生後6カ月以降の乳児へのインフルエンザおよびCOVID-19に対するワクチン双方の接種を推奨し、またそれらが流行している時期には、小児のフェイスマスクの着用も推奨している。
[2022年12月16日/HealthDayNews]Copyright (c) 2022 HealthDay. All rights reserved.
原著論文 Adams K, et al. MMWR Morb Mortal Wkly Rep. 2022;71:1589-1596.
コロナワクチン、小児でも高い死亡抑制効果あり BMJ2022年12月18日)配信
新型コロナウイルスデルタ株とオミクロン株優勢期のアルゼンチンで小児(3-11歳)と思春期児(12-17歳)を対象に、ワクチン2回接種による新型コロナウイルス感染症による死亡に対する有効性を研究推定。ワクチン有効性は、小児が61.2%、思春期児が66.8%。オミクロン株優勢期でのコロナ死亡に対するワクチン有効性は、小児が66.9%、思春期児が97.6%。 【原文】Castelli JM, et al. Effectiveness of mRNA-1273, BNT162b2, and BBIBP-CorV vaccines against infection and mortality in children in Argentina, during predominance of delta and omicron covid-19 variants: test negative, case-control study. BMJ. 2022; 379: e073070.