メディアリテラシー③
― 諸外国における教育に関する制度・取組 ―

 総務省郵政事業庁(旧郵政省)は、平成11年(1999年)11月から「放送分野における青少年とメディア・リテラシーに関する調査研究会」を開催し、「メディア社会を生きる力」としてメディア・リテラシーをとらえ、メディア・リテラシーの概念を検討するとともに、諸外国及び我が国における取組を調査した上で、我が国におけるメディア・リテラシーの向上に向けた施策の方向性を提言し、メディア・リテラシーの普及に向け、メディア・リテラシー教材等の開発を支援するとともに、関係機関に対し、提言された方策について周知を図っていくとしています。

 その第2章には諸外国におけるメディア・リテラシーに関する取組みが紹介されています。特に、カナダでは、子どもの頃からコンピューター接触と同時に、主体的、非受動的にマスメディアを理解し、情報メディアに対する批判的な考えも勉強するようになっており、1999年秋からは全州でメディア・リテラシー教育を義務化しています。多くの先進国で、教育カリキュラムに何らかの形でメディア・リテラシー教育を導入し、放送事業者によるメディア・リテラシー教育に関する番組や教材の提供、放送主管庁による市民団体等への支援(助成金の交付、情報提供等)も行われ、さらに非営利機関(NPO)もメディア・リテラシー教育の普及に貢献しています。

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諸外国におけるメディア・リテラシー教育に関する制度・取組

<イギリス>
・ メディア作品の読解や解析等のメディア・リテラシー教育を、初等・中等教育を通じ、主として国語の一環として実施。  
・ 省庁横断的な「メディア教育戦略委員会」を設置し、政府としてのメディア・リテラシー教育に関する方針を2000年夏に公表する予定。                            

<ドイツ> 
・ 各州でメディア・リテラシー教育のための教師の訓練を実施。
・ 州の放送庁が、メディア・リテラシー教育に関する研究を実施。
 また 、市民による番組制作に対し支援。

<フランス>
・ 初等教育課程の公民科の一環として、メディアと世論の関係について話し合うことを必修にしている。
・ 公共放送であるラ・サンキエムは、国立教育資料センターと協力し、メディア・リテラシーに関する番組を定期的に放送。 

<カナダ> 
・ 1999年秋からは全州でメディア・リテラシー教育を義務化。(主として国語)
・ カナダ・ラジオ・テレビ・電気通信委員会はコミュニティ・グループによる番組作り等に対し支援。              
<米 国>
・ ほぼ全州が指導要領にメディア・リテラシー教育を採用。(主として国語)
・ 公共放送(PBS)や全米ケーブルテレビ協会等はメディア・リテラシーに関する番組を制作・放送。        
       
<オーストラリア>
・ 全州共通カリキュラムの中に、英語、芸術、技術教育の一環としてメディア・リテラシー教育を導入。
・ オーストラリア放送庁はメディア・リテラシー教育に関する国際会議の開催、情報誌の発行等により、メディア・リテラシー教育を普及。